NPO東京都防災士会の活動方針

活動方針

東京都防災士会として公助と共助の架け橋となり、公助をご支援していくこと

 NPO法人東京都防災士会理事長(日本防災士会東京都支部長) 大林 一洋

東京都防災士会としては、防災の要である東京都とともに、
いわゆる公助3大組織(災害時に組織的な実行力を行使できる警察、消防、自衛隊:私の造語)と
常日頃から連携を図るとともに、その活動を支援させていただき、
いわゆる公助と共助の架け橋となることを活動方針の大切な柱の一つに位置付けてまいりたいと考えています。
そうすることで、公助のできることとできないことを知り、
単なる理想論ではなく、地に足の着いた活動ができるのではないかと思料しています。

そのための具体的な施策としては、
都庁や公助3大組織の責任者の方から災害時の計画等についてお話を伺い、
公助としてできることとできないこと(公助の限界)を
会員の皆様にしっかりと腹落ちさせていただきたいと考えています。
そうすることで、会員が中心となって
それぞれの現場で災害に備えた実効的な準備ができるとともに、
災害が発生した場合にも会員が住民の中にあって
適切に説明を行うことで公助に対する不平不満を募らせることなく、
やるべきことを躊躇なく実施できるのではないかと思います。

かつて、大東亜戦争時に旧陸軍と旧海軍の確執がある中でも
両者の共同作戦が成功した数少ない事例を見ると、
陸軍と海軍の担当者の官舎が隣同士だった、
あるいは同郷だったために顔なじみであった
ということが戦訓として残されています。
これは個人的な感想に過ぎませんが、
業務遂行を行う際に欧米ではマニュアル化が徹底され
属人的なものが考慮されることがほとんどありませんが、
日本の伝統文化では、
いくら組織的な体制が整えられマニュアル化が進んだとしても、
最後は人と人との関係が
大きなファクターとして残るのではないかと思います。

そういった意味で、
公助の主体たる公務員の皆さまは
ひんぱんに異動してしまうことから、
なかなか人間関係を構築したり
維持したりすることが制度上困難であるため、
公的制度の枠外で
人間関係を構築できる場を
東京都防災士会がご提供できれば、
一般的には非効率とされる日本的な顔つなぎといったことを
いい意味での関係者間の絆を結ぶことに
転換できるのではないかと思っています。

このため、都庁や公助3大組織の責任者の方から
災害時の計画等についてお話を伺う際には、
その他の都庁や公助組織の方にも
お話を聞いていただけるよう、
ご案内するとともにその機会を増やすためZoom等での配信も積極的に行っていきたいと考えています。

つまり、ここでは組織としてだけではなく、
防災を通じて一人でも多くの住民の命を救うための使命感を
持った個人としてのつながりを持つという意味合いを大切にしたいと考えています。
そして、たとえ休日であってもお話をしたり聞いたりするなど、
公助の担当者としてその重要な責任を担う強い自覚を
もっていただいている
(災害は能登半島地震の例にもあるとおり、災害はいつ発生するか分からないのですから)と、
かつてその任にあった者として
個人的に深い思い入れとご期待をさせていただいています。

そして、そうした実績を積み上げた先には、
東京都庁を中心に
警視庁、東京消防庁、陸上自衛隊第1師団の4者と
東京都防災士会の間の連携を目に見えるものにするため、
公助と共助を結ぶ架け橋として「5者協同協定」を結び、
公助が住民の命を救うために連携していることを
広く都民の皆様に周知できればと愚考いたしています。

2024.06.09(理事会議決)

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