東京都防災士会では「ともに学びともに守る」勉強会を開催しています
今回は、東京都総務局総合防災部防災管理課より防災計画課長の渡辺氏をお招きして
首都直下地震の被害想定を見直し(10年ぶり)など解説いただきました
東京都防災士会所属防災士だけでなく、一般の参加者も多数ご来場いただきました
アーカイブ動画からこの記事を作成しております。
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目次
首都直下地震による新たな被害想定
首都直下地震への備えと取り組み
防災士会への期待と今後の展望
東京都総務局総合防災部 防災計画課長の渡辺氏による特別講演を基に、
東京都の首都直下地震への備えと対策について解説します。
1. 東京で想定される危機
東京は、人口密度が高く、様々な地形を抱えているため、災害発生時のリスクが非常に高い都市です。
人口密度
約1400万人の人口のうち、7割が区部に集中。区部の人口密度は900㎡あたり1.55万人と日本一。
地形
低地、台地、丘陵地、山地など多様な地勢があり、それぞれで異なる災害リスクが存在する。
地震
風水害
火山噴火
新型インフルエンザ
テロ
武力攻撃
サイバー攻撃など
多岐にわたります。
2. 首都直下地震による新たな被害想定
東京都は、令和4年度に10年ぶりに首都直下地震の被害想定を見直しました。
見直しの背景
東日本大震災の経験、近年の大規模災害の知見蓄積、南海トラフ巨大地震の発生切迫、地震に強い街づくりの進展など。
新たな被害想定の特徴
従来の定量的な評価に加え、電力途絶などの状況を時系列で示す「被害シナリオ」を作成し、具体的な対策を検討する。
「マグニチュード7クラス」の首都直下地震(都心南部直下地震、多摩東部直下地震など5つ)
「マグニチュード8〜9」の南海トラフ巨大地震が挙げられます。
都心南部直下地震
最も被害が大きいと想定される地震。建物被害19万棟、死者約6,000人。
南海トラフ巨大地震
揺れによる被害は少ないが、津波による被害が懸念される。島嶼部では30m近い津波が10分以内に到達する可能性も。
東京都の新しい地震被害想定で取り上げた地震と地震動 東京大学 名誉教授 平田直氏
首都直下地震等による東京の被害想定(令和4年5月25日公表)
「大田区の被害想定」について
大学生と作るNHK就活応援ニュースゼミ「目指せ!時事問題マスター」
3. 首都直下地震への備えと取り組み
東京都は、「地域防災計画」に基づき、様々な防災減災対策を進めています。
地域防災計画
国の災害対策基本法に基づき、都道府県及び市区町村が作成する法定計画。
計画の修正
令和4年度の被害想定に基づき、令和5年度に震災編を修正。
修正のポイント
自助共助の促進
応急対応力の一層の強化
被災者の早期の生活復旧
具体的な取り組みとしては、
自助共助の促進
家庭・地域での防災行動の促進、防災訓練の充実など。
応急対応力の一層の強化
道路啓開、無線通信網の整備、ライフラインの早期復旧など。
被災者の早期の生活復旧
避難所の環境改善、災害関連死の抑制、マンション防災の推進など。
4. 防災士会への期待と今後の展望
東京都は、防災士会を住民と行政機関などをつなぐ重要な存在と認識し、その活動に期待を寄せています。
防災士会の活動
地域住民への防災知識の普及啓発、防災訓練の実施、行政機関との連携など。
東京都の目標
2030年までに首都直下地震の被害を半減させる「TOKYO強靭化プロジェクト」を推進。
ハード・ソフト両面の対策を強化し、防災士会などの協力も得ながら、目標達成を目指す。